物流業界の課題を解決し企業改革と新規参入をサポートする

今年4月からトラックドライバーの時間外労働が年960時間に制限された。物流業界では人手不足への対処が急務である。生活必需品の価格高騰や店舗での品切れ、納期・工期の遅れなどを引き起こすトラックドライバー不足への準備が求められている。

2030年には運ぶべき貨物に対してトラックドライバーが日本全体で約35%不足すると推計している(『トラックドライバー不足の地域別将来推計と地域でまとめる輸配送』レポート)。同業界においては、共同輸配送の導入、商取引条件の見直し、業界慣習の改革、インフラ整備などが検討されているが、サプライチェーンの複雑さ、ステークホルダーの多さから、企業・業界団体・行政の連携による対応が必要だという。

NRIは、物流業界における人手不足などの課題の解決と、企業の新規参入・事業拡大を支援する「次世代物流構築コンサルティングサービス」を5月に開始した。同サービスは民間企業・各種団体・官公庁向けに、ドライバー不足や物流費の増加に関する独自の分析・推計、物流業界と荷主業界双方へのコンサルティング経験、さまざまなデジタルソリューションのノウハウを組み合わせ、物流課題の解決をアシストないしサポートするものだ。

同サービスの「官公庁・業界団体・民間企業の制度設計支援」では、実態調査・制度設計、標準づくり、実証運営といったメニューにより、"新しい製造・物流・循環の姿を描き、事業を共創"する。そして「民間企業の改革支援」では、物流拠点の経営改革、物流事業改革、物流業務改革、物流業界参入といったメニューにより、"現場の現実を踏まえた標準づくり、ルール作り"を行う。「経営・事業・業務」の各領域にわたって改革と新規参入に伴走する。

これからも同サービスを進化させるという。同社は、地球環境や社会のニーズに対応した持続可能な物流システムの実現と、物流に関わる企業の競争力強化に貢献していく構えだ。