長距離Wi-Fiで湖岸をカメラ監視、省電力WANと組合せて水温も

ニジマス、ブラウントラウト、ヤマメ、わかさぎなどの釣り場としても有名である。神奈川県内最大の湖では、限りある漁場資源の保護と遊漁者同士のトラブルを防止するため、漁業規則が定められている。が、無届けの不法操業者が多数いて、それらを早期発見するための巡回監視が不可欠となっている。

当該漁協は、Webで遊漁者へ、同湖の水温情報を提供していて、その計測にかかる稼働負担も課題となっている。一方、「地域に密着した現場力とテクノロジーの力で、夢や希望を感じられる持続可能な循環型の地域社会を共創」することをパーパスとして掲げ、デジタル技術の更なる活用に取り組んでいて、新たなWi-Fi規格を活用した実証を畜産場や都市型農場にて実施している中で、より遠距離の通信環境下での検証が必要になっていた。

そこでLPWA(低電力・広域無線)通信のノウハウに長けている2社と連携し、その湖における監視強化および管理稼働効率化を目的として4月19日にこれを開始した。NTT東日本・神奈川事業部は、フルノシステムズIIJ、ならびに芦之湖漁業協同組合とともに、芦ノ湖において、IEEE標準規格「802.11ah(Wi-Fi HaLow™)」</a>を活用したカメラ監視と、同規格とLoRaWAN®を活用した水温センシング管理の実証を今月末まで行う。

カメラ監視では、1km以上離れた対岸との映像データの通信状況把握と、カメラの人物検知・モーション検知を活用した「違法・不法操業者の監視」 を検証する。Wi-Fi HaLowとLoRaWANによる水温センシング計測では、水温センサーを活用して芦ノ湖フィッシングセンターHPでの情報提供運用を検証する。

新時代の漁場管理や湖上安全管理で使える。上記仕組みは各ポイントのリアルタイム情報提供のみならず事故・災害映像の記録――、人材不足対策にも活用できるだろうと、福井達也組合長は期待を寄せる。