機器設置場所でのエンジニアリング作業が前提だった。工場など産業インフラの現場でリモート対応を実現する。これは多様な仕組みのデジタル転換(DX)により増大するデータの可視化や制御機能の向上といった需要に応えるためだという。
東芝インフラシステムズは13日、産業用コントローラのクラウドサービス「Meister Controller Cloud PLCパッケージ typeN1」の提供を開始した。これにより顧客は様々な外部サービスとの連携も可能となり、産業システムのDXを推進できる。新サービスは、独自開発クラウドで制御プログラムを連続的に実行する制御コアやクラウド・エッジ間通信を活用することで、産業用コントローラによる制御系システムの構築・メンテナンス作業を雲上で完結できる。
MES(製造実行システム)やAIなどとのデータ連携を円滑にし、IT(情報技術)×OT(制御・運用技術)を加速する。ものづくりのスマート化に役立つ。①運用保守のリモート化でスピーディに問題解決、②リアルタイムデータを利活用したソリューションの創出、③製造現場のアセットライト化を特長とする。製造現場の入出力データや設備稼働データなどを利活用した分析や新しいソリューションの創出にも貢献する。
新サービスは独自の通信プロトコルが導入され、安定通信・高セキュリティ下での利用が可能だという。同社はテレワークを可能とする計装・制御システム向けエンジニアリング環境「Meister nV-Tools Cloud」を2021年から提供していて――今回これと新サービスとの組み合わせで、より高度で複雑なシステム構築、制御、メンテナンスをリモートで実現できるとした。
同社はこれからも、長年培ってきた産業領域での技術と最新のITを活用し、製造業のDX市場を中心にスマートマニュファクチャリング事業の拡大に向けた取り組みを加速していく構えだ。