産業用ロボットの視覚・判断能力をアップし、設定等も容易に

多品種変量生産ニーズが高まっている。生産・品質・在庫管理が一層複雑化している昨今、人手不足もあり、ロボットで単純作業を自動化したいとの期待は大きく、多くの企業でロボットビジョンシステムが開発されている。

産業用ロボットのカメラシステムであるそれはしかし、処理能力不足により認識しにくい部品があったり、動作・認識が要求スピードにマッチしなかったり、使用開始前の設定が難解で、時間を要するため使い難かったり、設備導入時の負担が大きいといった課題があり、それらの解決が求められていたという。

ニコンは、産業用ロボットビジョンシステムを今秋に発売する。この製品は、人間の目のように状況を捉えるセンサー(カメラ)と、撮像した対象物を画像処理により認識して判断するエンジン(制御PC)で構成されていて、ロボットアームに動体視力と頭脳の機能を付与する。独自の高速センシング技術により、高速性・高い認識力・使い勝手の良さを備えていて、製造業をはじめとする多くの産業で省人化や生産性の向上に貢献する。

同システムは、①バラ積みピッキング、②ビジョントラッキング、③誰でも簡単に扱えるソフトウェアを特長とする――。目標とした把持位置と実際につかんだ把持位置がずれた場合にも、ワークをつかんだ後に計測し直し、そのずれを補正しながら作業が可能である、①では、死角を減らしてワークの取りきり率を向上、最大250fpsの高速動作によるタクトタイム短縮、ハンドビジョン採用でフレキシブルに移設・増設ができる。

②では同期作業ゼロでセットアップタイム低減、設備投資コストの低減を可能とし、③では、各種設定を自動化・簡易化したソフトウェアによりティーチングコストの低減が見込め、データ活用で複数台のエンジン管理を効率化できるオプションを開発中だという。同社の上記新製品は7月4日~6日に「ロボットテクノロジージャパン2024」にて披露される。