車の船積み計画・実績登録DBを統合して業務効率と積載台数アップへ

自動車船には6、7千台の自動車が積み込まれる。その作業は「積込プラン入力」「積込依頼」「積込」の順で行われた後、日本の港では貨物件数協会が、船内のどこに何台の自動車が積み込まれたか実際に確認(検数)し、船会社はその結果を基に次の港での「積込プラン」を作成している。

船会社と検数を行う、同協会が各社個別のシステムに情報を入力し、メールで情報共有を行う運用が通例だった。これまではまた、船会社と同協会双方の利用システムおよびデータベース(DB)が異なっていたため、船会社側では同協会から受領する積込実績図データを自社システムに転記する作業が発生――転記元と転記先のフォーマットが異なることから、正確な追加積載可能台数を把握することが困難だったという。

商船三井の全面協力のもと日本貨物検数協会(J.C.T.C)が開発した「J-CARPS」、船内への自動車の積み込みエリア・台数の予定入力・実績確認ができるシステムが今月リリースされ、前者においても同システムの利用が開始された。

関係者が共通情報を即時得られるよう、商船三井では同システムの導入および個別システムDBの統合を提案。今回実現に至った。J-CARPSには「ファイル添付機能」「簡易メッセージ送付機能」も付いていて、全関係者――船会社、荷役業者、J.C.T.Cが最新の積み込み予定・実績データを共通DBからいつでも確認できる。システム上での相互連絡も可能となる。

これを利用すると、DBの統一化により上記転記誤差がなくなる。より多くの車を積み込めるようになる。同システムは自動車船業界の業務効率のみならず、自動車船が不足している中、積載台数アップにも寄与するものだという。MOLグループは、今後もデジタルトランスフォーメーション(DX)を進め、輸送サービスの品質向上を図り、物流のビジネスパートナーとして顧客に選ばれる企業グループを目指す考えだ。