2050年カーボンニュートラルの実現が課題となっている。それには各企業の取り組みに加え、サプライチェーン全体で温室効果ガス(GHG)排出を削減していくことが重要になる。当該削減の推進では、脱炭素・低炭素製品が選択されるような市場を創り出していく必要がある。
その基盤として製品単位の排出量(カーボンフットプリント:CFP)を⾒える化する仕組みが不可⽋だと、経産省「カーボンフットプリントガイドライン」(PDF)に記されている。
今月8日、ENEOS、ウェイストボックス、NTTデータは、共同で製品別CFPの可視化を実現し、ENEOSは石油化学品・機能材等の一部素材製品のCFPを顧客に提供開始するとした。CFPとは製品の原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでの間に排出される温室効果ガスをCO2に換算したものであり、ここでは原材料調達~製造の排出量を指す。
同CFPの算定に当たっては、GHG排出量算定の専門家であるウェイストボックスのレビューのもと各種ガイドライン(ISO 14040、14044、14067、上記経産省指針)を参照し、石油製品のCFP算定法を固め、NTTデータと共にCFP算定・管理システムを構築することで、より信頼性の高い数値となるよう取り組んできた('23年3月リリースPDF)。製油所で実際に取得されたデータを用いたCFP算定は、国内石油業界初だという。
3社は、今回の取り組みを通じて、カーボンニュートラル実現に貢献すると共に、ENEOSの顧客におけるScope3(Scope2以外の間接排出:環境省グリーン・バリューチェーンプラットフォーム参照)の把握や、バイオ原料導入による削減、クレジットによるオフセット製品導入等の取り組み加速に貢献していく構えであり、ENEOSとNTTデータは11日、本件に関する講演をオンラインセミナー「Next Gen Future」にて行う。