大規模言語モデル(LLM)を用いた対話型生成AIが普及している。ネット上の公開文章等で訓練され、一般的な言語パターンを知る汎用LLMは、各個業務・事業への造詣が深いとは言えず、適用範囲が限定的になったり、専門用語への理解が不可欠な業界での導入が進んでいなかったりするという。
DTCは、LLMに個別企業や特定ドメイン(事業活動領域)特有の語彙や文脈、ニュアンスを学習させる"ファインチューニング"を行うことでカスタマイズする「特化型LLM」の開発サービスを提供する。同社では複数ベンダーの有力LLMを検証しながらクライアントニーズに最適な特化型LLMの開発を行う。ベースとなるLLMについて、クローズドとオープン、両モデルのパラメーター数やバージョンによる違いを比較・検証することで、ノウハウを蓄積している。
新サービスは、「複数ベンダーの有力LLMの検証を基に、最適なファインチューニング」、「セキュアな顧客環境でのオンプレミス可能なLLM」、「RAGの実装や汎用LLMの併用など最適なシステム構築」、「システムと事業・業務の両面のトータルソリューション」といった特徴も備えている。
ファインチューニングについても、LLM自体のウェイトを書き換えるフルファインチューニングと、メモリの消費量を押さえながら効率的に学習するPEFTとを比較することで、最適な手法を見出している。そしてまた、プライバシーやデータセキュリティの観点から、クラウド提供型の汎用LLMの利用が困難な業種・業界もあるという。
テクノロジープロバイダーであると同時に、生成AI導入の構想策定から基盤構築等の実装フェーズ、保守・ガバナンス体制の構築に至るまで、企業の生成AI利活用を総合的に支援する能力を有する――同社はこのたび、顧客環境でのオンプレミス運用可能な特化型LLMを提供することで、企業のLLM活用を促進する構えだ。