陸海空でのロボティクス導入による事業リスクをAIで低減する

『I, ROBOT』でロボット三原則を定義したアイザック・アシモフは"robotics"も造語した。それから80年経ち、日本でもロボティクス(ロボット工学)の社会実装が進展している。さまざまな自律稼働型ロボットが人と協働し、一昨年末にはドローンのレベル4(有人地帯での目視外飛行)が可能となった。

さらに昨春、自動走行ロボットの公道運行が可能になるなど、法整備も各種ロボットの普及を後押ししている。一方で、それらへの依存度が高まるにつれて、故障やセキュリティインシデントなどにより稼働不能になった場合の影響も大きくなっている。今日、自律稼働系ロボットのリアルタイムAI分析は研究が進んでいるものの、事業リスクを予測するためのAI活用はまだ十分ではないという。

GMOグローバルサイン・HDは、ロボティクス分野におけるAIを活用した動作ログ解析の実証実験を4月より行う。クラウドにおいて、包括的に収集したロボット・ドローンの動作ログに、ディープラーニング等を活用した高度なAI解析を行う。そして、故障リスクやセキュリティリスクをマネジメントし、運用効率を向上させ、事業リスクを低減することを目指す。

「ドローンオープンプラットフォームProject」に参画し、空中ドローンについては飛行中にセンサー等から収集されたログデータを解析し、機体等の故障リスクの予測などを行う。②対象を陸上ドローン(ローバー)や自動走行ロボット、水中/水上ドローンに広げていく。③最終的にはログの収集・解析の対象をドローン以外のロボットにも広げていく。

将来的には分析結果を、ロボット・ドローンメーカーの顧客サポートおよび品質改良、物流・製造・設備点検・サービス事業者における故障・動作不良予測やセキュリティリスク検出、損保会社における保険料率算定の精度向上や事業リスクカバー商品の企画等へ提供することを見込んでいるという。