震災の二次災害予防をドローン及びISO準拠システムを活用して実施

石川県輪島市を流れる牛尾川は鈴屋川の支流である。同河川では今年1月1日に発生したM7.6、最大震度7を記録した大地震(令和6年能登半島地震)によって、土砂災害による河口閉塞が数カ所発生した。そのため、道路も寸断され、人が近づくことは困難な状況であったという。

輪島市からの要請――ドローンの業界団体である日本UAS産業振興協議会(JUIDA)へのドローンによる二次災害予防のための巡回点検要請を受け、ブルーイノベーションは、五光物流ならびにVFRと、JUIDA指揮のもと、1月31日~2月6日に、国際標準規格ISO5491に定められた設備要件に準拠したドローンポートシステムを活用した河川監視活動を実施した。

今回の取り組みは、輪島市内を流れる牛尾川に出来た土砂ダムの状況を、ブルーイノベーションが独自のデバイス統合プラットフォームBlue Earth Platform®;をベースに開発したドローンポートシステム「BEPポート」を活用し、自動かつ定期的に離発着するドローンにより土砂ダムを撮影・監視し、決壊の危険性有無を常時把握するものであり、二次災害による被害を未然に防ぐことを目的としていた。

ドローンポートの稼働状況や各種センサーによるポート周辺の安全確認などの各種情報を一元的かつリアルタイムに集約・管理し、他システムとも共有・連結することで、一連かつ複数のドローン運用オペレーションを安全に遂行させる「BEPポート」から、ドローン(ACSL-PF2:PDFカタログ)が自動で離発着し、牛尾川の上流往復約3kmを飛行。土砂ダムの状況を上空から定期的に監視した。

結果、鈴屋川の経時変化(同一地点)について、定点観測による撮影画像の比較から、河口閉塞による溜まり場の大きさに顕著な変化がないことを確認できた――。実災害現場でのドローンポートシステムの社会実装は国内初(JUIDA調べ)だという。