第6世代移動体通信の時代を拓く、計算機能inモバイルネットを実証

今日のモバイルネットワークはデータ転送専任である。ITシステムの3要素である演算・記憶(記録)・通信が固定的に機能分担されているが、これからは、サイバーフィジカル融合などによる先進的なサービスの実現に向けて、端末とクラウドのサービスが密接に連携することが求められるという。

NTTドコモは、NTTが次代のコアネットワークとして提案する「インクルーシブコア」構想をもとに3GPP標準準拠のモバイルコアを拡張することで6Gの特徴の一つ、コンピューティング機能を具備したモバイルネットワーク(In-Network Computing)を構築し、世界初だという実証をした。

NokiaCoreSaaSを用いてISAPの技術要素――端末の接続状態に合わせた回線への計算サービス設定、クラウドサービスの利用状態の変化に合わせた回線への計算サービス設定、モバイルネットやクラウド側のサービスの状態・特徴・特性に適した計算サービスに用いるコンピューティング機能の制御を証明した。これにより、端末側にも高性能な処理能力が要求される6G/IOWN時代のサービスにおいて、端末性能非依存での利用が期待される。

端末やクラウドで担っていた処理をネットワーク内で高速処理しながら、低遅延・大容量な6Gネットワークによって端末とクラウドのサービス情報処理の連携を加速できる。端末サービスの簡素化やクラウドサービスとの低遅延なインタラクションが望める。今回の成果は、GSMA主催のMWC Barcelonaで次世代アーキテクチャとしてNokiaブースで展示するという。

両社は、当該技術のユースケースやアーキテクチャの検討と実証を継続し、ユーザーが自分主体で利用できるような新たなサービス形態の検討を進める。Nokiaとも連携し6G標準化への同盟範囲の拡大、研究開発およびサービス提供に向けた検討を推進していく考えだ。