日本において大腸がんはがん罹患数第1位、男女ともに50代前半から増加傾向を示す。そのような中、内視鏡による大腸病変に対する腫瘍・非腫瘍の鑑別の正診率は75-88%といった報告もあり、早期発見ならびに適切な診断に向けたAIによる診断支援のニーズが高まっている。
国立がん研究センターの調査結果や、医学ジャーナル等の情報から上記のようにいう。オリンパスは、NBI(狭帯域光観察)モードで撮影された大腸の内視鏡画像をAIで解析し、検査中に医師の診断を補助する内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN-X」を19日に国内で発売した。同社は2019年に内視鏡分野で国内初の薬事承認取得AI製品「EndoBRAIN」をリリースし、-EYE、-Plus、-UCを市場投入。そして今回販売する――
同ソフトウェアは、超拡大内視鏡の併用が必要な「EndoBRAIN」とは異なり、同社製の大腸汎用スコープ(290系/1200系/1500系等)で診断支援可能、より幅広いユーザーに提供できる。粘膜表層の毛細血管やそのパターンなどを強調して映し出すNBIモードで撮影された大腸内視鏡画像をAIが検査中にリアルタイム解析することで、腫瘍・非腫瘍の可能性を表示する。
大腸病変の診断において、病理診断が腫瘍性である病変に対する感度97.9%(後ろ向き非臨床性能評価試験結果)の診断支援精度を実現している。-Xは、昭和大学横浜市北部病院、名古屋大学、サイバネットシステムによる-EYEの技術(研究開発:AMED支援)を基に開発され、臨床性能試験を経てサ社が昨年1月に医薬品医療機器等法の製造販売承認を取得したもの。
その国内独占販売権を取得したという。オリンパスは、「EndoBRAIN」シリーズにより、大腸内視鏡検査における病変の検出~鑑別、一連の工程をAIが支援する仕組みで、内視鏡検査に携わる医療従事者の負担軽減を目指す。