ローコード/ノーコード開発市場は毎年1割強、日本国内で着実に成長

多くの組織がDXに注力している。アプリ開発の迅速性や柔軟性を重視しつつも、人材難からSIerとともに内製を推進する企業が大半を占めている。そのような開発体制ではしかし迅速・柔軟性を十分確保できないため、高スキルのエンジニアを必要としない開発プラットフォームへの期待が高まっている――

などとプリンシパル・アナリストの甲元宏明氏がいう。ITRは13日、国内のローコード/ノーコード開発市場規模推移および予測を発表した。同市場の2022年度の売上金額は709億4,000万円、前年度比16.0%増となった。市場を構成するベンダーのほとんどが売上金額を伸ばした。大きな影響力を持つ上位ベンダーを含む6割超のベンダーで2桁以上の伸びとなったことが上記増加要因である。

ローコード/ノーコード開発プラットフォームは、自社データの利活用を促進し、ビジネスを活性化させる業務アプリケーションを迅速に開発するためのツールとして認知度が向上していて、今後もDXや業務改革の推進に伴う導入の拡大が見込まれる。

主に基幹システム周辺のシステム開発の効率化や迅速化を目的として導入されているパッケージは、大企業を中心に導入に一巡感がありつつ、クラウドサービスへの移行も進み始めていることから、一定の需要はあるものの大幅な市場拡大は期待できない。一方、クラウドサービスは、一部ベンダーの広告戦略にて認知が拡大しているほか、クラウドサービスを主力に据えるベンダーも増加していることから、中堅・中小を中心とした企業での導入が期待される。

よって、同市場のCAGR(22~27年度)は14.0%、25年度には1,000億円規模に拡大するだろうという。詳細は、国内25ベンダーへの調査に基づいた売上実績や売上予測などを掲載している同社の市場調査レポート『ITR Market View:ローコード/ノーコード開発市場2024』にて確認できる。