電力設備やエネルギー関連機器の運用保守をSaaSでデジタル化

電力・製造業界において、省エネの推進や業務効率化へのニーズが高まっている。そこで、大手企業の発電所や変電所における機器の状態監視や故障予知、運用保守の最適化などの仕組みを提供してきた。近年、小規模な電力事業者やエネルギー関連機器を持つ一般工場等においても――

上述のような機器の運用保守の最適化に向けた動きが広がってきたという。東芝エネルギーシステムズは、新たに開発した電力事業者・製造業向けSaaS版「TOSHIBA SPINEX for Energy」を今月2日に提供開始した。新サービスは、集中監視や運用保守(O&M)支援、電力機器の運転や業務の改善・合理化に貢献する予測・最適化などの標準的なユースケースを想定し、「標準サービス」と「ソフトウェア部品」とで構成されたものだ。

標準サービスでは、「点検画像AI分析サービス」や「CO2見える化シミュレーションツール」など8個のサービスをパッケージ化して提供。ソフトウェア部品では気象予測・異常予兆検知などのツール群、機器の診断巡視点検支援や保守保全の作業支援、アセット管理などに関するサービスが用意されている。

上記標準パッケージサービスとソフトウェア部品を活用し、同社のエンジニアリングビジネスデザインの知見・技能を持った担当者が顧客の課題解決に向けたPoC(概念実証)や対象機器のデータ分析などをきめ細かく行い、顧客と課題解決に向けた方法を共創する。これにより、顧客がその業務や環境に合わせて最適な構成を検討することが可能になる。

「TOSHIBA SPINEX for Energy」は、顧客の幅広いニーズに応えるため、今回のクラウドおよび従来通りのオンプレミスでも提供されるという。同社は新サービスの展開、顧客との共創を通じ、発電所・変電所・工場等でのエネルギー関連機器の稼働率向上や運用保守業務の最適化といった課題解決に貢献していく考えだ。