一昨年春に自動駐車と機械式駐車設備の連携技術に関する共同開発に着手。以来、かたや自動走行や駐車等の車載システムを、かたや車両アプリと機械式駐車設備アプリの連携システムおよび当該適用設備の開発を担い、全体の仕様やシステム構成の検討等に両社で取り組んできた。
その後、昨年3月からは機械式駐車設備(エレベータ方式と多段方式の2種)を用いて実証実験を重ねてきたという。アイシンと新明和工業は今年1月25日、直近の実証実験において、車載システムメーカー製の自動走行および駐車システムを搭載した車両と、設備側とを連携することで、安全性と利便性が大幅に向上する、機械式駐車設備に自動で駐車する「自動バレー駐車」(レベル4)に成功したと発表した。
いずれスマートフォンに車両および機械式駐車設備の操作アプリを搭載することを想定している。設備内での人身事故防止に資する、今般の仕組みを導入することで、ユーザーはスマートフォンの操作のみで駐車設備にクルマを駐められるようになる。「駐車」「機械式駐車設備の操作」「駐車にまつわる待ち時間」などのわずらわしさからも解放される。
国内初だという、今回の実証実験では、車両と機械式駐車設備に搭載したコントロールユニットに各専用アプリをインストールし、連携に関する初期設定を行った後、乗降場所から車両アプリ上で目的地を当該設備に指定するだけで、車両アプリと設備アプリが連携し、車両が自動で入出庫できるかを検証した。
結果、自動運転車両を認識した機械式駐車設備は、新明和工業が開発したシステムにより指定パレットの呼び出しや車両の格納、ゲートの開閉を自動で行った。アイシンがVisual SLAM(車載カメラ映像で周辺地図を作成しつつ自車両の位置・姿勢を推定する技術)を用いて開発した自動走行・駐車技術により、経路制御ならびに高い精度が求められる機械式設備での自動駐車も達成したという。