超高齢社会が進む。65歳以上の人が全人口の21%を占めている日本では、健康寿命を伸ばすための取り組みが広がり、生活習慣病の発症や重症化の予防に向けた個人の生活習慣の改善が重要視されているという。
倉敷中央病院とNECソリューションイノベータは、一昨年10月に開始した共同研究の成果として、定期健康診断の結果から4年以内の生活習慣病の発症リスクを予測するAIモデルを開発した。これにより、人々は定期健診を受けるだけで、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、動脈硬化(アテローム性動脈硬化)、急性心筋梗塞など11種類の4年以内発症リスクがわかるようになる。
予防医療のさらなる発展に向け、同病院が保有する約45万人分の匿名カルテおよび予防医療プラザが保有する約10万人分の定期健診データと、同社の予測技術を融合させた、生活習慣病の発症リスクを予測するAIの共同研究を行ってきた。その精度検証を重ね、医師との協議を経て確立された上記AIモデルは、「NEC 健診結果予測シミュレーション」サービスの疾患発症リスク予測機能として今月19日に発売された。
①4年以内の生活習慣病の発症リスクを同性・同年代と比較して表示、②疾患に関連するオプション検査(人間ドック等の健診・医療機関による検査)の情報を表示、③生活習慣改善シミュレーションによる取り組みの支援を特長とする。疾患発症リスク予測機能を追加した同サービスは「日本総合健診医学会 第52回大会」で披露される。また、予防医療プラザでは3月より職員の定期健診に利用予定だという。
同病院は、「地域医療エコシステム」にて同サービスを活用し、一人ひとりの発症リスクに応じた検査の推奨および生活習慣の改善策を提案するオーダーメイドヘルスケアの提供を目指す。一方同社は、同サービスを通じて、健康寿命の延伸と一人ひとりのQOL向上、さらには「フォーネスビジュアス」の提案を目指す考えだ。