ローカル5G環境を見える化、無線ネットワークを安定運用する

高度なデジタル化をめざす地域の企業・団体等が自ら運営ないし運用する。ローカル5Gは、高速大容量・超低遅延・多数同時接続といった5G通信規格本来の特長に加え、高い安全性や柔軟なニーズ対応などのメリットも得られるとして、多彩な領域・分野での利用が期待されているけれど――

現場環境の変動に伴う電波環境の変化は、通信品質の低下や通信障害の発生につながる課題となっている。電波は目に見えず、異常発生などの状況把握が困難であり、原因究明に時間を要するといった課題も明らかになってきたという。アンリツは16日、ローカル5Gの電波環境を可視化するモニタリングソリューション「ローカル5G運用パフォーマンスモニタ」を発売した。

エリア内の複数プローブ端末で多点同時測定を行い、時間変動も考慮した電波環境が把握でき、通信トラブルからの迅速な復旧や通信障害の未然防止など、ネットワークの安定運用に寄与する。同ソリューションは、①ヒートマップで直感的に状況を把握、②時系列グラフで複数個所にて変化する事象も補足、③ノイズ発生源・干渉波到来方向を推定し、障害原因の究明に貢献する。また、障害解析サービスにより無線トラブルの発生原因を究明する。

①では事前入力した基地局の電波伝搬パラメータを用いたシュミレーション結果を、プローブ端末の実測値で補正することで、実環境に即したヒートマップを作成。②では各プローブ設置場所における通信状態の時系列グラフを並べて表示でき、相関事象の把握が容易になる。モニタリングの仕組みは、信号対干渉ノイズ比(SINR) のヒートマップ表示にも対応している。

電波伝搬シミュレーション技術とプローブ端末の測定結果を統合することにより、電波環境を少数のプローブ端末でリアルタイムにマッピングできるという。同社は、信頼性の高い無線ネットワークとして多様な用途が望めるローカル5Gの安定運用に貢献していく構えだ。