産業用燃料油にJ-クレジットを付与、顧客と共にCN実現を加速する

地球温暖化対策、脱炭素/カーボンニュートラル(CN)社会の実現が急がれる。日本では、省エネ設備の導入、再エネの利用、森林経営などの取り組みによるGHG(温室効果ガス)の排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証する、新制度が広がりつつある。

今月、出光興産は、産業用燃料油として販売している「出光カーボンオフセット fuel」の商品ラインアップへ、J-クレジットを付与した「出光カーボンオフセットfuel J」を追加し、21日に同社グループ会社で試験的に販売開始した。この試験販売により、J-クレジットの調達・運用を確認する。来年3月からすべての系列特約販売店で販売する予定だという。

ボランタリーカーボンクレジット(民間セクター・NGOなどが発行)を活用した既存商品は、CO2削減対策に課題を抱える顧客やCSR活動に積極的に取り組む顧客などに利用されている。そして今回ラインアップに加えた商品は、既存商品と同様に燃料油を使用することで発生するCO2をオフセットできる。これを先行購入した日本道路が「CO2発生量ゼロへ向けた有効な手段として活用し、CN実現を目指します」と述べる。

「出光カーボンオフセットfuel J」は、地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)に基づくGHG排出量の算定・報告・公表制度にも活用できる。国内で多くの脱炭素への取り組みと企業価値向上にいっそう寄与する。新商品について、中期経営計画(2023~2025年度)にてポートフォリオ転換を推進することを表明した事業領域のうちの一つ、「一歩先のエネルギー」の開発と社会実装に向けた取り組みと位置付けている。

出光興産がいま事業化を検討しているバイオ混合燃料の使用時や脱炭素化への移行期には、顧客の手では削減困難なCO2が生じる。そこで同社は、カーボンクレジットなど様々な手法を用いて脱炭素化に貢献していくという。