"火の国"をゆく路面電車はきょうからデジタル"顔パス"で

新型コロナウイルス禍が色々な仕組みのアナログ具合いをあばき、それらのデジタル化に火をつけた。日本の企業・団体でDXが盛んとなった昨今、決済等の身近なシステムでは非接触型やキャッシュレスへの移行が進み、本人確認のための顔認証技術において、著しい精度向上が見られる。

これまでこのパートナー企業・団体と協業し、さまざまな社会課題の解決とユーザーの利便性向上に寄与すべく、顔認証決済のプラットフォーム開発を進めてきたという。丸紅ネットワークソリューションズは、今月20日~来年3月31日にKCT熊本市交通局が共同で行う――同市内を走る路面電車にてするAI顔認証技術×モバイル決済・モバイル定期連携型――運賃決済システムの実証実験に参加する。

今回、丸紅が提供する顔認証決済プラットフォームを使用し、顔認証で運賃を支払う実地検証を行う。同プラットフォームの開発は丸紅ネットワークが担い、顔認証技術の開発はR.D.Worksが担当する。KCT丸紅ネットワークが顔認証サービスを共同提供し、モバイル決済についてはアプラスのウォレットアプリ「BANKIT」、モバイル定期についてはレシップ「QUICK RIDE」と連携する。

モバイル決済を利用する人は事前に「BANKIT」のダウンロード・インストール・登録・チャージを行う。モバイル定期を利用する人は「QUICK RIDE」アプリで顔写真を登録する。両者とも、乗車時には、車両に取り付けられてあるタブレット端末をのぞき込むことで顔認証をする。いかなる"モノ"も取り出す必要がなく、両手がふさがっていたり、スマホや現金などを忘れたりしていても、デジタル"顔パス"にて、運賃の支払いが可能となる。

乗客の利便性向上と交通事業者のコスト削減に貢献するという丸紅ネットワークは、「『自分の顔』がチケットになる」顔認証決済プラットフォームの開発をこれからも進めていく構えだ。