クラウドとスマホアプリでオフィス環境を可視化&制御、CO2削減にも

従来システムの多くは、各設備が独自にアプリケーションソフトを有し、同ソフトの乱立が使いやすさを損ねていた。ユーザーがその場所に居なくても制御ができてしまうといった課題もあったという。

日建設計と、エクシオグループWHEREオムロン神田通信機X1Studioは、働き方改革への対応や脱炭素社会の実現に向けて、オフィスにおけるクラウドプラットフォームを活用したセンサー・設備制御ネットワークシステムの構築に取り組んできた(協創第1報第2報)。

そこに今回、内田洋行も加わり、人の位置情報の可視化と、照明の制御(ユーザーが居るエリア内のみ対象。明るさや色温度の調整、シーン選択等の設定が可能)が一つのスマホアプリで行える仕組み、統合UIアプリを日建設計の実証オフィスに実装し、今月20日より検証を行う。オフィスで働く一人ひとりが室内の人の滞在状況や建物設備の設定を一目で確認し、簡単に操作できるようにすることで、より能動的な環境行動が促される――と考える。

日建設計が開発した環境行動アプリAsapp(23年3月発表)との連携を通じて、設備制御によるCO2削減量の可視化や削減量に応じたポイント付与などをめざす。空調・照明の停止や緩和を行ったことを同アプリで評価したり、当該行動を同アプリからユーザーへ促したりする展開も可能だろう。カーボンニュートラルの実現には、建物側の最適化だけでなく、個人の環境意識に基づく行動が重要だと分かっているという。

誰もが簡単に設備制御を行える統合UIをAsappと併用することで、さらなる行動変容を促進する。脱炭素社会や働き方改革への対応に加え、より広範囲な建築設備(防犯・防災・日射遮蔽・映像音響)との連携の強化、BIM(建築物情報モデル)との接続、AIの更なる活用などによる、健康で知的生産性の高いワークプレイスの実現に向けて、さらなる協創拡大を企図していく構えだ。