人とロボットが協働してピースピッキング、効果的な活用事例の創出へ

物流施設内作業の自動化や機械化に進捗がみられる。近年、人手を最も要するピースピッキング(単品収集作業)にロボットを用いる自動化への期待が高まっている。一方、形状の異なる商品に柔軟に対応する自動化技術について、その投資コストや導入環境の整備が課題になっている。

現在、ピースピッキング工程における物流ロボットの効率的な活用に向けて、ロボットと手作業の効果的な組み合わせ、使用環境・運用方法の標準化などの環境整備が求められているという。三菱HCキャピタルビックカメラ山善は、経産省委託「令和5年度流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業」に採択された。

安全柵を必要とせず、単品ごとに必要な個数を在庫から運び出すピースピッキングを担う協働ロボットの効果的な活用事例の創出に向けた実証を行う。同事業では先ず、物流施設のピースピッキング工程にて協働ロボットの活用が期待される複数のユースケースにおいて、様々な商品や作業に対する柔軟性・安全性の確保、投資 効果を高める環境整備項目を整理する。

その後、ビックカメラの物流施設にてロボットの実証テストを行い、人とロボットの効果的な役割分担などの項目を検証する。将来的には、各工程や作業に協働ロボットが柔軟に対応する新たな自動化サービスの構築を図る。三菱HCキャピタルは、食品・施設管理分野でロボットフレンドリーな環境づくりを進めているほか、工作機械等を用いた各種ファイナンスの提案で山善と密接に連携、協働ロボットビジネスにおけるレンタルも含めた協業を進めてきた。

今回の事業においても、ロボティクス領域における強固なパートナーシップやソリューション構築力を生かし、その実証を主導――。家電小売業大手であるビックカメラのEC事業に関する知見、山善の高度なSE力を融合し、物流分野におけるロボットフレンドリーな環境の整備、持続可能な社会の実現に貢献するという。