物流DX、ルート検索にかかる時間を短縮して脱炭素社会にも寄与

物流の2024年問題により、2030年には35%の荷物が運べなくなるという。物流事業者に地図サービスや開発キットを数多く採用してもらっていて、「配送拠点から配送先への距離・所要時間を総当たりで計算して、独自の配送計画策定に活かしたい」といった要望が寄せられていたものの――

これまでは複数地点間の距離・所要時間の算出にかかる時間の長さが課題になっていたという。地図データや地図開発キット「MapFan SDK」、地図クラウドサービス「MapFan API」を提供するジオテクノロジーズは今月13日、商用車の移動にかかる距離と所要時間を高速計算できるエンタープライズ向けクラウドサービス「経路マトリクスAPI」の提供を開始した。

約30年にわたり手掛けてきたデジタル地図事業とオートモーティブ事業を通して構築した高精度で高鮮度なデジタル地図とルート検索技術を掛け合わせて開発した同APIによって、配送計画における経路距離計算業務を最大96%短縮(東京-大阪間における2,500本分の経路計算で従来の自社ルート検索APIと比較)し、効率化を実現した。

ルート検索にかかる速度の問題を解消し、短時間での処理を可能にした。経路マトリクスAPIは、法人向け地図クラウドサービス「MapFan API」の新機能として提供される。既に「MapFan API」を契約中の顧客は、従来の機能に加えて「経路マトリクスAPI」を利用できる。

全日本トラック協会による上記2024年問題提起および対策等のほか、政府が目指す「カーボンニュートラル」の実現においては、さらなるトラック輸送の効率化(国交省Web)が求められているという。同社は、新開発ツール「経路マトリクスAPI」を通して物流DXを推進し、配送計画業務を効率化することで、最適な配送順の策定を可能にし、ドライバー不足問題の解消とCO2排出量の削減に寄与していく構えだ。