医療現場DX、情報技術サポートにセキュアなデバイス一元管理を追加

医療DXの実現に向けて医療機器のIoT化(IoMT)が急速に進んでいる。昨今、セキュリティーホールを狙ったサイバー攻撃により医療機関内のシステムが停止し、診療不能に陥るケースが増えている。その要因として、ネットワークにつながっている各種IT(情報技術)機器の管理ができておらず――

IT管理部門による十分なセキュリティー対策が行えていないケースや、多くの医療機関において「医療系ネットワークはインターネットに接続されていないため、サイバー攻撃を受けることはない」といった実態とは異なる認識が浸透していることが挙げられるという。富士フイルムビジネスイノベーションは今月9日、ネットワーク接続された医療機器に対する一元管理支援サービス「IT Expert Services IoMT デバイスマネジメントサービス」の提供を開始した。

同サービスは、医療機関向けのITサポートサービス「IT Expert Services」で、IT・医療機器の可視化とセキュリティーリスクの管理を一元的に行う。IoMTセキュリティープラットフォーム(米国Claroty社のプラットフォーム)を使用し、ネットワーク通信を監視して各種ITデバイスを見える化するものだ。

通信データの継続的な監視と最新の脆弱性情報の照合により、セキュリティーリスクのモニタリングもする。IoMTを含むIT機器の台数およびセキュリティーリスクの推移、セキュリティー対策例などをまとめた定期レポートを作成し、有用な情報を提供する。顧客はIoMTデバイスマネジメントサービスにより、サイバーハイジーン(ウイルス予防)を推進できるという。

同社は今後、セキュリティーベンダーとの連携を一層強化し、顧客のセキュリティー対策を支援することでより多くのDXに貢献できるよう取り組んでいく。今般の新サービスを通じて、医療機関のサイバー防御策の強化に寄与していく考えだ。