人手不足や技術者の高齢化などへの対策が求められる。来春からの時間外労働上限規制もあり、働き方改革がいっそう急務となっている。建設業界では、建設機械のリモート操作による課題解決が望まれていて、それは実際現場に導入されつつあるが――
広大な敷地で土を掘ってダンプカーに積む作業など、活用エリアや適用例が限定的で、まだ普及には至っていない。これから本格的な利用エリアの拡大、より精緻な現場工程への適用など、多様なユースケースでの活用を推進していくためには更なる操作性の向上や安全性の確保が必要だという。NTTは、大容量・低遅延・確定遅延が特徴のIOWNオールフォトニクス・ネットワーク(APN)を活用して、2種類の建機の遠隔操作を実証した。
遠隔操作用コックピットをNTT武蔵野研究開発センタに設け、建機を遠隔地の現場に配備し、2拠点間をAPNで接続して操作及び遠隔環境の確認をする通信網を構築。コマツと協働した「無線と組み合わせて油圧ショベルを遠隔操作」、および竹中工務店と協働した「End-to-Endでの有線接続で定置式タワークレーンを遠隔操作」において、建機の制御信号と現場の映像等を低遅延かつ確定遅延で伝送し、遠隔操作に関する動作実証を行った。
結果、違和感のない遠隔操作が行えることを各社と確認した。現場の映像等を低遅延で伝送することにより、遠隔地にいるオペレーターが現場の状況を正確に把握することができる、現地での作業と近い環境を実現可能とした。今回の実証を通じ、リモート操作が作業環境の改善と効率性アップ、および危険排除に繋がる可能性のあることを認めた。
建設機械の遠隔操作を活用することにより、オペレーターの移動時間削減といった業務の効率化、人が行っていた危険な現場作業の削減による安全性の向上が期待されるという。上記成果は14日~17日開催のNTT R&D フォーラムに展示予定とのことだ。