"自然"が軸の大規模ショッピングモールでAI警備システムを実証

夜間のセキュリティ確保と来場者の安全が重要な課題となっている。大型商業施設においては昨今、警備員不足も課題であり、多くの施設では人員以外の多角的な視点から警備体制の見直しと強化が検討されているという。

行動認識AIを独自開発するアジラと、「まちを元気に、ひとに笑顔を。」を理念に掲げる大和ハウスリアルティマネジメントは、愛知県春日井市最大の複合商業施設「イーアス春日井」において、今年12月31日まで、世界トップクラスの行動認識技術を基にしたAI警備システム「AI Security asilla」の実証実験を行う。同施設を管理する後者は、上述のような背景のもと、警備の更なる強化のために同システムの実証を開始した。

3階建屋にレストランやファッション店舗など約70店が入居する。「KASUGAINATURELINK~都市と自然を結ぶ、都市と自然を享受する~」をコンセプトとし、子どもから大人まで毎日楽しめ、内装も自然素材を用いたデザインで森の中にいるかのような雰囲気である。大型複合商業施設において、既存のカメラをAI化し、異常行動や不審行動を検出したときのみ、瞬時に映像を通知する。

映像をモニタリングする警備員の業務を軽減でき、見逃しや見落としを無くせる。行動認識AIを採用した警備システムを活用することで、迷惑行為や不審行動の早期発見が期待される。手薄になりやすい夜間警備においても強固なセキュリティ体制を構築する。今回の実験で取得・解析した画像データは本実証および事後検証以外には使用しないという。

行動・予兆の検知による防犯以外にも、迷子検索や車椅子検知といった見守り機能に使え、人に特化したデータ取得による混雑状況の把握・人数カウントなどが行える。AI警備システム「asilla」の防犯カメラの活用範囲を広げ、警備員との効率的な連携により、同施設全体のセキュリティレベル向上に寄与する考えだ。