信用金庫の経営課題はAI及びデータ駆動型サービスにて解決へ

金融機関を取り巻く環境が大きく変化している。昨今、IT(情報技術)を活用した業務効率化、各業態におけるデジタル技術を活用した新しい顧客サービスの提供が本格化している。そこで、各信用金庫が保有する膨大なデータを集約・分析するデータ活用基盤を構築し――

今年4月からマーケティング分野でのデータ活用・AIサービスの提供を同基盤「しんきんData Base」にて進めている。信金中金と、NTTデータは10月31日、信用金庫業界向けデータ活用・AIサービス領域における業務提携契約を締結した。この提携により、両者の持つノウハウやシステムを連携させ、信用金庫の経営課題を解決するサービスをスピーディーに提供することで、「しんきんDB」サービスの信用金庫業界への浸透を目指す。

かたや信用金庫から集約したニーズをもとに、しんきんDBに蓄積したデータを活用したサービスを設計・提供する。かたや幅広い顧客へのサービス提供実績で培ったfinposs®('22年1月発表記事)をはじめとしたAIサービスの技術開発力や、しんきんDBの開発で得た知見に基づく、業界特性を理解した新たなサービスアイデアを提供する。

すなわち前者はさまざまなパートナー企業と連携し、後者はさまざまな金融機関等との取り組みで得た知見を生かし、業界のデータ活用高度化に努めていく。信用金庫業界各所に点在する膨大なデータを集約・分析するデータ活用基盤「しんきんDB」に、finpossをはじめとしたAIアセットを活用することで、信用金庫の顧客へデータに基づいた最適なアプローチを実現し、顧客満足度向上と信用金庫の収益力向上に貢献するという。

両者は、今回の業務提携を通じてめざす方向性を共有し、データ活用・AIサービスの拡大に取り組む。そして、信用金庫に高価値なソリューションを提供することで、信用金庫とともに持続可能な地域社会の実現に寄与していく構えだ。