住宅や指定地への配送サービス(ラストワンマイル物流)では、人手不足や宅配便取扱個数の増加などへの対応が課題となっている。さらには買い物弱者などの地域課題、非接触型配送ニーズへの対応策として、自動配送ロボットを活用した新たな配送サービスの早期実装が求められている。
そうした背景の下、2020年から自動配送ロボットによる新たな配送サービスの実現に向けて技術開発事業※1を開始し、集合住宅や市街地、商業施設、工業地帯などで走行させる実証実験や、社会受容性を向上させるための取り組みなどの分析・検討を実施してきた。そのうえ22年から後継事業※2を開始し、より事業化・サービス化を重視した目標・課題を設定し、開発を進めているという。
NEDOの「革新的ロボット研究開発基盤構築事業(※2)/自動配送ロボットによる配送サービスの実現(※1)」において、KCCSは、北海道石狩市の協力を得て同市緑苑台東地区の一部エリアの車道(基準緩和認定及び道路使用許可取得済み)で、1人のオペレーターが複数台の自動配送ロボットを遠隔監視・操作しながら配送サービスを行う実証実験を開始した。
同実験は、車道を同時走行する複数台の中速・中型自動配送ロボットを、1人のオペレーターが遠隔監視・操作するものとして国内初の事例だという。地域の配送事業者および小売事業者と共に同ロボットを走行させ、配送サービスを実施する。今回、「複数台の運用が可能な遠隔型自動運転システムの開発」「自律走行比率の向上」「安全な運行管理体制の構築」について実用性の確認を行う。
1人が自動配送ロボット複数を運用することで、コスト低減や運用効率の改善が期待できるという。両者は今後、同時に複数の自動配送ロボットを監視できるシステムの機能拡張、自律走行比率の一層向上(参考資料)、安心・安全を示すエビデンスの収集を行い、自動配送ロボットの社会実装を目指していく構えだ。