個人向けローン関連業務をDX、顧客体験も良好にする

競争激化や人口減などで日本国内のビジネス環境が厳しさを増している。金融機関はそれぞれ競争力の維持・向上にむけて、非対面完結型のローン商品の開発等、デジタル転換(DX)の取り組みを加速させている。個人ローン分野だが現状は――

取り扱う商品の種類が多いこと、商品ごとに保証会社が異なるケースが多いことなどから、網羅的かつ抜本的な改善が進まず、金融機関と保証会社での手続きには紙事務/電話・郵送・FAXなどのアナログ業務が多く残っている。双方にとって、ITシステムと紙事務の二重利用が続くことによる管理コストの肥大化、事務オペレーションの複雑化が課題になっているという。

NTTデータおよびSMBCCFは23日、SaaS型「ローンデジタルプラットフォーム(LDPf)」のサブスク提供を開始した。愛媛銀行をファーストユーザーとし、三十三銀行への提供を来春に計画している。月額料金のみで利用できる同プラットフォームは、個人向けローンにおける旧来業務をデジタル化して効率化、さらにローン申込者の顧客体験を向上する。

Web上で申し込みから契約締結までを完結、【業界初】金融機関‐複数保証会社間の伝送&リトライを自動化、UI/UX改善による離脱防止およびサービス品質の向上、顧客コンタクト支援、データ分析・販促サービス提供により成約率向上に寄与といった特長を備えた。LDPfサービスの採用により、愛媛銀行は顧客に円滑なデジタルサービスを提供し、成約率の向上および事務経費・システムコストの削減を図るという。

来春にはアプリ機能の提供、カードレスや他行口座における借入・返済を実現するデジタルカードローン機能、デジタルマーケティングといった機能・サービス拡張も予定している。LDPfについて、両社は、全国の金融機関および保証会社に利用してもらえる公共的なプラットフォームにすることを目標に、相当な営業活動を展開する構えだ。