"レベル4"ドローンでラストワンマイル配送、その有用性を実証する

昨年12月に航空法等の一部を改正する法律が施行された。以降、無人航空機の有人地帯(第三者上空)での補助者なし目視外飛行が可能となった。いわゆるレベル4ドローンは、物流や過疎地域等の課題解決に資する、様々な技術・サービスとの連携でも期待されている。

今月13日、ANAHDは、レベル4飛行によるドローン配送サービスの実証実験を沖縄県久米島町で11月6日から実施するとした。同実証は、国土交通省「無人航空機等を活用したラストワンマイル配送実証事業」に採択されたもので、国の実証事業としてもこれに取り組む。同社は従来レベル3ドローン配送サービスの実証実験を都合14回実施。そして今回、改正航空法の第十一章『無人航空機』に定められた手続等を事前に実行した。

レベル4の実施には、無人航空機の型式認証、操縦士ライセンス、運航管理のルールを要する。そこで同省航空局から「第一種型式認証」を取得した「ACSL式PF2-CAT3型」(ACSL発表記事)を用い、「一等無人航空機操縦士」資格を保有した自社の操縦士、安全管理・運航管理・整備部門など航空会社として培ってきた知見を活かした飛行マニュアルで、レベル4の飛行承認(国空無機第157229号)を取得した。

自社操縦士によるレベル4運航は国内初だ。レベル3で少なくとも3人の担当を要していた運航体制が、レベル4により運航者1名で実現可能となる。ドローン配送の課題の1つである運航の省人化に向けた検証を行う。飛行経路は、久米島町のAコープ久米島店から旧仲里間切蔵元跡(真謝地区)で設定されている。

今般、地域ボランティアの人たちとの連携を通じ、食料品・日用品を注文した人の自宅まで配送するラストワンマイル物流の実施も含めて、技術・ビジネス面における有用性を確かめるという。同社は、レベル4による運航体制、飛行経路などを検証し、ドローン物流事業の社会実装を目指していく考えだ。