SA方式のローカル5Gを屋内外に展開する仕組みをワンストップで

超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続といった5G本来のスペックを有するネットワークを企業・団体が自ら構築/運営し、地域ないし構内等の需要に応じて当該能力を発揮させる。データ駆動型社会・産業にも資する、ローカル5Gは個別ニーズに対応し、セキュアで安定した通信網を築けるものだ。

それは建設現場や工場、農場などにおいて、常時監視が必要な場所で、監視カメラの高精細映像の伝送、建設機械や農機の遠隔操作、製造ラインの管理など幅広い分野で活用できるという。シャープは、屋内外の多彩な場所に高速・大容量の無線通信環境を構築できるローカル5Gシステムを開発した。システム設計~基地局・端末などの機器、同設置および保守メンテナンスをワンストップで提供する。

今年12月以降に受注販売を開始する予定だという同システムの基地局は、広いエリアをカバーしやすい4.8-4.9GHzの周波数帯かつ5Gの特長を実現するSA(スタンドアロン)方式を採用(参考:総務省PDF P.25/P.33)。無線部と制御部がそれぞれ独立した「分離型基地局」のため、設置場所の状況に応じてシステムを柔軟に構築できる。無線部は屋内用と屋外用を揃え、1基につき最大128端末の接続が可能だ。

端末は据え置き型の「IDU」タイプと、USB「ドングル」タイプをラインアップ。「IDU」を介してFA機器やカメラ、各種センサーなどを無線または有線でローカル5G網に接続することで、大容量データの高速伝送ができる。「ドングル」タイプは、コンパクトな手のひらサイズで、パソコンなどの機器と簡単にUSBで接続できるうえ、防水・防塵性能を備えているので、建設・工事現場など、屋外でも利用可能だという。

同社は、上記新システムにより、ローカル5Gネットワーク関連ビジネスに本格参入し、企業や自治体におけるセキュアで安定したネットワーク環境の円滑な導入に貢献していく構えだ。