製造現場DX、リモート作業支援にエッジデバイスを活用して

新製品の製造ラインを立上げる。そんな時、当該工場に出張してきた技術者が試作品や製造・試験方法について細かい相談をする。遠く離れた製造現場では、機器の不具合に緊急対応するため、修理経験の少ない作業員が指示を受けながら事に当たらねばならないケースもあるという。

OKIは、スマホなどのエッジデバイスを使うリアルタイム系「遠隔作業支援システム」を開発した。遠隔地にいる熟練者が、映像によって現場の状況を確認しながら、映像画面に直接スケッチやジェスチャなどを描画して、円滑に作業指導・指示を行える。これにより、作業指示などのための現場立会いのリモートシフトの加速、時間やコストの削減が期待されるという。

通常の映像音声通信に加え、現地を撮影した映像を遠隔地の熟練者に送付し、熟練者側でスケッチやジェスチャなどの作業指示内容を重畳して、作業者側に指示を映像として送付できる。標準技術WebRTCを用いているので、一般的なウェブブラウザを搭載した多くのデバイスで利用できる。

技術者が現地に赴かずともリモートアシストできるように開発された、同システムによって、映像を用いての具体的な改善案の相談や作業指導・指示が可能となる。専門性の高い技術者の出張・出動の回数と時間を削減できるほか、マニュアルだけでは伝わりにくい技術・技能の伝達がスムーズに進み、製品や作業の品質向上や機器停止時間の短縮が見込まれるという。

同社では新たな取り組みとして、同システムを無償試用してもらえるクラウド型「βサービス」を開始――今年10月より2年間、商品化に向けた検証を、製造・保守・その他業務でリモート作業支援や共同作業、情報共有の機会を有する企業と行い――意見を反映した「遠隔作業支援システム」の効果検証と改善を進め、2025年度リリースを目指す――多様なニーズに広く対応できる新サービスの創出につなげていく構えだ。