大容量蓄電システムをAI制御、蓄電所ビジネスの収益を最大化する

2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする。カーボンニュートラルが宣言された日本でも、その実現に向けて再生可能エネルギーの主力電源化が望まれている。これまではFIT制度の導入により再エネの普及が進んできた。そして昨年4月には同制度に代り――

市場連動型のFIP制度が導入され、再エネ発電の拡大が期待されるようになった。一方で、再エネは発電量が天候等で変動し、電力需要の少ない場合には出力抑制が発生する。そうした課題を解決するため、電力の余剰が見込まれるときに充電し、需給ひっ迫時に放電する、調整役を果たす系統用蓄電池が注目されているという。

日本ガイシSustechは、大容量蓄電システム「NAS®;電池」と分散型電力運用プラットフォーム「ELIC」を用いた蓄電所事業の収益最大化に向けた取り組みを行う。後者の開発するAIの仕組みだという「ELIC」を用いた系統用蓄電池の制御により、卸電力市場や容量市場、需給調整市場といった異なる市場取引を組み合わせて運用することで、蓄電所事業の収益最大化を図る。

NAS電池は前者が世界で初めて実用化したメガワット級の蓄電池であり、大容量、高エネルギー密度(コンパクト)、長寿命を特長とし、長期にわたり高出力の電力を長時間、安定して供給できる。電力負荷平準によるピークカットや非常電源用途のほか、再エネの安定化やスマートグリッドの構築など、多彩な使われ方をしていて、環境負荷の低減、カーボンニュートラルの実現に貢献しているという。

両社は今回、事前の初期検証によって、ELICによる高い収益性向上効果が確認できたことから、本格的な取り組みの第1号案件として、2024年度中に国内でNAS電池を活用した系統用蓄電所の運転開始をめざす。今後はNAS電池とリチウムイオン電池のハイブリッド運用や、再エネ併設型の蓄電池の運用による収益最大化にも取り組んでいく構えだ。