近頃多くの企業が対話型生成AIに興味を示している。業務の効率化を目的に、同AIの導入に取り組んでいるけれども、それを効果的に活用するためには、当該企業に特化した情報が活用でき、情報漏洩の心配がない環境を必要とするという。
CTCは8月25日、企業の独自利用に特化した対話型生成AIの環境を構築する「AOAI環境構築サービス」の提供を始めた。セキュリティや安全性を備えた生成AIの環境で、社内文書の内容も検索して学習し、企業独自の回答を実現する環境――構築サービスの価格は1,000万円からだという。
同サービスは、マイクロソフトの生成AIサービス「Azure OpenAI Service」の利用環境を提供するもので、各企業専用の環境となり、データの暗号化やアクセス制御、監査ログなどの機能を含めてMicrosoft Azureのセキュリティ機能が利用できる。CTCが検証済みの検索エンジンも併せて導入することで、社内文書に基づく企業独自の回答が可能になり、取り扱う文書によって様々な業務で生成AIを効果的に活用できるようになる。
生成AI環境の活用については、今回、質問や回答の会話や利用した社内文書の記録(ログ)から回答の精度向上につなげる「生成AIデータ分析サービス」も新たに提供。継続的に生成AIの回答を調整していくことで、サービス利用の定着化とさらなる業務効率化につながる。同環境は既にCTC社内でも活用を進めていて、ドキュメントの作成や調査などの業務で有効性を確認している。
生成AIアドバイザリサービスの提供に関連して、製造業・金融業などを中心とした複数の顧客との実証実験や先行しての環境構築も実施しているという。同社は、AIの利活用における姿勢をまとめたCTCグループの「AI倫理原則」を遵守して生成AIの利活用に関するサービスを拡充し、顧客のさらなる業務効率化に貢献していく構えだ。