複数のフォークリフトを遠隔管理・自律制御化、安全・高効率搬送へ

来年4月からトラックドライバーの時間外労働が上限960時間に規制される。この国では人口減という社会課題に「2024年問題」が追い打ちを掛ける。物流業界では、ドライバーや倉庫内スタッフらの労働力不足が予測されていて、障碍者雇用の拡大や物流の効率化が喫緊の課題になっているという。

NECNXHDは、2020年10月に始めた価値共創に向けた探索プロジェクトを通じて、物流における商品の運搬や積み下ろしなどフォークリフトを活用した倉庫内作業の効率性と安全性を向上させる"自律遠隔搬送ソリューション"を共同開発した。既製のフォークリフトに後付けでき、自律遠隔搬送を実現する仕組みは国内初だという(NEC調べ)。

アクチュエータ、カメラ、センサなどを既製フォークリフトに搭載することで、シミュレーションによる状況に応じた搬送ルートの自動設計や安全性を確保したフォークリフトの自律遠隔搬送を可能とする(技術の一部はNICTの委託研究で獲得)。リスクセンシティブ確率制御技術等を活用することで「安全かつ高効率な自律制御による入出庫作業の自動化」、そして「複数台フォークリフトの遠隔管理・操作」「既製フォークリフトの活用」ができることを特長とする。

同ソリューションは、複数拠点にある複数台のフォークリフトを遠隔から少人数で集中管理できるようにすることで人手不足を解消し、安全性の向上など持続可能な物流の実現に貢献するという。両社は今後、NXHDの知見を活かしつつ、倉庫内での実証実験から得たフィードバックを反映させ、同ソリューションの早期事業化を目指す。

在庫管理や入出庫管理を含む倉庫管理システムとの連携も図り、棚卸管理まで含めて物流倉庫の自動化を推進していく。上記仕組みは9月13~15日、東京ビッグサイトにおける「国際物流総合展2023 第3回 INNOVATION EXPO」にて、両社の各ブースで紹介される。