太陽光で発電した電気の、自己託送による環境価値をクレジット化する

自己託送を行う目的の主流は、再エネ由来の電気を利用することだ。電気の価格が上昇し、脱炭素への取り組みが加速する中で、環境価値をクレジット化するニーズも高まっていくだろう。

自己託送制度に関するQ&A(資源エネルギー庁)が公開されている日本では、クレジット売買により、クレジット購入者はそれを環境目標の達成に役立てられ、クレジット販売事業者はその収益を新たな環境価値創出への投資等にあてられるという。中央電力は、太陽光発電設備による自己託送を活用したJ-クレジット創出プロジェクトの登録が完了(プログラム型P191)したことに伴い、「じこたくエコクレジット」サービスを開始する。

自己託送事業者向けの同サービスでは、登録プロジェクト(計画書PDF@J-クレジットWeb)を活用し、自己託送事業者が持つ環境価値を同社がクレジット化して企業等へ販売し、クレジット購入者の環境目標の達成をサポートする。顧客は個別に手続きせずともJ-クレジットの創出が可能となり、それを環境価値創出に繋げられる。同サービスを通じたクレジットの流通は、温暖化ガス(GHG)削減に役立つ。

J-クレジット制度において自己託送を活用したプロジェクトは日本初だという。同社は、傘下のリネッツを通じて提供する自己託送ワンストップ支援サービス「じこたくサポート」を採用し、低圧の太陽光発電電力を「マンション一括受電サービス」導入マンション(約2,200棟)に、自己託送制度を用いて供給している。既存サービスを活用してその環境価値の一部をJ-クレジット化して販売し、当該収益で太陽光発電所等、再エネへの投資を行っていく。

今後は、電気や環境価値の価格の上昇等を踏まえ、他社への「じこたくサポートサービス」に、「じこたくエコクレジット」サービスを組み合わせることで、多様な顧客ニーズに対応し、日本全体のカーボンニュートラルの実現に貢献していく構えだ。