顔映像から脳の健康度を推定・可視化するデバイスで運動意欲アップ

認知症患者は表情が乏しくなる。そこで、「認知症」と「表情を作る能力」の間に何らかの相関関係があるとの仮説を立て、実証データの収集と推定精度の高い仕組み作りを進めてきた。そして、MRI計測にて導き出された数値と独自アルゴリズムで解析した結果に、一定の相関関係が認められたという。

パナソニックホールディングスプロダクト解析センターは、ブレインインパクトの監修のもと、顔映像から脳の健康状態を示すBHQ(脳の健康管理指標)を推定する計測器を新開発した。セントラルスポーツ協力の下、「セントラルウェルネスクラブ24葛西」にそれを導入し、6月13日~21日、脳の健康に良いとされる運動を日常的に実施している会員94名(女性81%。平均年齢67.3歳)に、任意の推定BHQ計測とアンケート回答を行ってもらった。

モニターに映し出された喜怒哀楽の表情を参加者にまねてもらい、その表情・感情の変化から1分間程度でBHQを簡易推定(BHQは本来MRIによる脳画像データからの算出指標)する。同機器を用いて、運動前後に「推定BHQ」計測。脳の健康状態可視化の有益性、可視化による運動意欲と継続利用、実施したフィットネスの種類、心理状態といったことを尋ね、脳の健康状態の可視化が利用者のモチベーションアップに効果のあることを確認した。

推定BHQ計測によって、「自身の脳の健康が可視化されることが有益だと思う」と回答した人は全体の76%。そのうちの9割が「脳の健康の可視化が運動意欲の向上につながる」とし、8割は継続的に脳の健康状態を確認したいと答えた。ゆえに、推定BHQによる脳の健康可視化が、継続的な脳の健康把握と、運動モチベーションのアップに効果的だと考えられるという。

同センターは、BHQ推定技術の開発とBHQ改善施策の提案を通して、人々の脳の健康状態を向上する。ウェルビーイングな暮らしの実現に貢献していく考えだ。