建設現場DX、情報ダッシュボードを用いて作業所の業務を効率化

就労者の数が減少し高齢化も進んでいる。建設業界では、働き方改革の推進と生産性の向上が喫緊の課題となっている。時間外労働の罰則付き上限規制いわゆる「2024年問題」にも直面するため、IT(情報技術)の浸透による業務革新、DXが待ったなしの状況となっている。

そこで、建設現場における作業所業務へのIT活用が最適と考え、企画~開発の全過程で技術・ノウハウの伝授ないし習得を行いながら、作業所業務支援システムのアジャイル開発を進めてきたという。大成建設富士通は、生産プロセスDXの一環として、作業予定や施工状況など建設現場内の情報を集約・可視化して関係者間で共有することにより現場業務の効率化を推進する、「作業所ダッシュボード」を完成した。

例えば、「作業所内での各種工事の実施予定」「作業所閉所情報、日報」「職員個人予定(Outlookと連携)」「建設現場内カメラ映像」「LPWA(省電力・長距離無線)通信を利用した現場内の温湿度、暑さ指数(WBGT)、風向・風速、騒音・振動、水質PH、酸素濃度など各種センサーと連携したリアルタイム情報」の共有を可能とする。

このたび全国約700カ所で利用が開始された、上記新システムの活用により、関係者間での各種情報の即時かつ円滑な共有はもちろん、遠隔リアルタイムに業務進捗状況をつかめるため、報告業務を大幅に効率化する。本社・支店が同システムの共有情報から各作業所のスケジュールなどを詳細に把握し、個別適切指示を可能とするので、双方で業務効率化などの効果が期待されるという。

両社は、組織的サポートを継続しながら、「作業所ダッシュボード」の運用を通じて作業所業務の負荷軽減を図るとともに、作業所ニーズを随時反映させてシステムの機能改善を進め、さらなる業務効率化による革新的な働き方を具現化することで、建設業界のさまざまな課題解決に取り組んでいく構えだ。