大型化あるいは建物管理者不足の影響で、物流施設は、点検管理の負担が増大している。設備の損傷など異常事態による事故や業務の滞りを未然に防ぎ、施設内で働く従業員やドライバーが安心して業務に取り組める環境が求められている――
そこで従来、IoTなどの先進技術を活用し、熱中症・インフルエンザの発生リスクの見える化や、マスク着用有無の検知による感染症拡大防止対策など、物流施設をより良い職場とするためのDXを共に推進してきたという。大和ハウス工業とNTT Comは今回、前者が手がけるマルチテナント型物流施設「DPL」において、無人点検管理の実現に向けたソリューション開発を8月1日に開始する。
後者が販売するドローン「Skydio 2+™」などの遠隔操縦や自動巡回を実現する仕組み「Skydio Dock and Remote Ops.」により取得した物流施設内の画像データを「SDPF for City」へアップロードし、AIが当該画像を解析することで、設備の損傷や不審物などの異常を検知する。異常検出時には、建物管理者・警備員に異常箇所と検知内容を発信するとともに、報告書を自動作成する。
「DPL」の点検業務にかかる時間を約3割短縮できる。設備損傷時には、建物管理者・警備員による迅速な対応などを実現する。同ソリューションを2025年度より全国の「DPL」へ順次導入する予定だという。
両社は、建物内で取得した画像データ、「DPL」テナント企業の車両運行データ、気象情報など、多様なデータを取得し「SDPF for City」に集約することで、データ利活用による「DPL」の省力化や効率化を推し進め、非常時のドローンによる避難誘導などについても検討を予定している。協業の発展により、物流業界における労働者不足や労働時間短縮による「2024年問題」への対応など、各種社会課題の解決に貢献していく考えだ。