フェムテックで労働損失改善、損失の構造の見える化から理解の深化へ

持続可能な企業とする。人的資本経営の実現は女性の健康課題解決を切り口としたパフォーマンス向上が鍵となる。職場における当該課題解決への取り組みは未だ一般的ではなくその背景には、「女性従業員それぞれの月経随伴症状に合わせたモチベーション・行動が継続しない」とか――

「多様な月経随伴症状に対して、何が女性従業員に最適な企業としての施策か明確ではない」「企業が取るべき具体アクション(フェムテックの導入等)とその費用対効果がわからない」「男性経営者・管理職の月経随伴症状への理解が低い」といったことがある。そこで今回、労働損失の構造を明らかにしてこれらの課題に対する取り組みを加速する、企業価値の向上および人的資本経営の実現に寄与したいという。

TOPPANエッジは、頭痛やイライラなど月経随伴症状に伴う労働損失改善の可視化についてヘルスケアIoTサービス「わたしの温度」を使った実証実験を10月に開始する。同実証は婦人科および心療内科の要素を取り入れた「行動変容研修」、婦人科に特化した「オンライン医療相談サービス」の複合プログラムで構成され、明治安田生命(20代~40代の女性従業員300人)の協力のもと分析・効果測定を12月までの予定で行う。

経産省令和5年度「フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金」事業に採択された同実証は、上記複合プログラムにより、心身の状態と客観的に向き合い、目標や行動計画を立てて継続的に月経随伴症状の対処や労働効率の改善を行うことを促す。プログラムを4要素(自身の状態の客観把握、ヘルスリテラシー、マインドセットの変化、改善行動量)に分解し、各要素の改善と労働損失の構造を明らかにする。

そして労働損失への影響を見える化する。事業成果について、人的資本経営を進める企業に知らせ理解の深化を図るという。同社は「わたしの温度」を用いたプログラムをパッケージ展開していく考えだ。