およそ3年間、議論を重ねてきた。それぞれの強みである暮らしの知見と先進テクノロジーとを掛け合わせることにより、「2030年の暮らし」をコンセプトに、住まい自体が社会を支え、持続させるためのインフラとなる、未来の住宅の実現をめざして今回、新技術の実用化に向けた共同実験を進めている。
ミサワホームと富士通は、持続可能な未来につながる暮らしの提案に向け、後者が開発した常時認証技術――生体認証技術×「行動分析技術Actlyzer」による暮らしのパーソナライズ化や、家族や訪問者を見守る空間に関する検証を、「ミサワパーク東京」内のコンセプト住宅「グリーン・インフラストラクチャー・モデル」('21年7月発表)の1階シェアオフィスにて来年1月まで行う。
①常時認証技術の実証:意匠性を考慮したカメラの台数・配置での個人特定精度の高さ、②パーソナライズ化された空間の検証:動作検知との連携による快適性、コミュニティの誘発性、③セキュアな空間の検証:生体認証せずに入ってきた来場者や、転倒した来場者などの異常検知を行う。同技術では、常時認証にかかる処理はすべてクラウドで処理され、エリア内の機器がその処理結果を受け取り、駆動する仕組みとなっている。
両社の従業員や取引先など一部関係者がシェアオフィスを使用する際、入口の専用機器で生体認証および自身の好みなどの情報を登録。シェアオフィス内では、設置済み生体認証センサとカメラで常時認証が行われる。照明機器やスピーカー、モニターなどの住宅機器と連動した、来場者の好む音楽を流すなどパーソナライズ化された住環境の価値を検証する。
病院・介護施設・オフィスなど公共空間への活用も検討していく。両社は今後、暮らしの設備と上記技術の連携による転倒事故のリアルタイムな通知など、セキュアな空間の構築や、暮らしに寄り添いかつパーソナライズ化された新しい住まいの実現を目指すという。