業務プロセスの電子化・自動化によりワークフロー市場は2桁成長

コロナ禍でリモートワーク/在宅勤務が普及した。日本ではそれと同時にデジタルトランスフォーメーション(DX)も広く認識され、その取り組みが推進されている。そんな中、RPAやローコード/ノーコード開発などと合わせ、業務の自動化を実現するものとして――

ワークフローシステムの新規導入やクラウドへの転換が進んでいるとプリンシパル・アナリストの三浦竜樹氏がいう。ITRは18日、国内のワークフロー市場規模推移および予測を発表した。同市場の2022年度の売上金額は110億円、前年度比13.4%増の伸びを示した。好調な売上げを維持しているベンダーが多く、23年度も2桁成長の、同12.7%増と予測している。

リモートワークの普及に伴うワークフローシステムの新規導入やシステム拡張が進んでいることに加え、意思決定のスピードアップ、ペーパーレス化/働き方改革の推進、内部統制の強化などのニーズが、その拡大を後押ししている。同市場のCAGR(22~27年度)は12.7%、27年度には200億円に達するだろう。

同市場を提供形態で比較すると、22年度のパッケージ市場は前年度比マイナス3.9%であったのに対し、SaaS市場は同32.6%増の高い伸びを示した。主要ベンダーがこの提供形態に注力している、SaaSは23年度に市場全体の6割強を占め、27年度には約8割にまで拡大する見込みである。CAGR(同)で見ても、パッケージ市場はマイナス3.5%、SaaS市場は21.1%。

今後は、単純な申請・承認プロセスの電子化にとどまらず、ERPやドキュメント管理システムなど、各種業務システムと連携させた業務プロセスの自動化を目的に、ワークフローシステムの適用範囲は拡大すると推測される、と前出の三浦氏がコメントする。調査結果の詳細は、『ITR Market View:RPA/iPaaS/ワークフロー市場2023』にて確認できる。