生活に必須の電力。その顧客サービスの一翼を担うオペレーターには豊富な専門知識と経験が求められる。マンション一括受電サービス(約2,200棟)と電力小売事業のカスタマーセンターを運営し、オペレーターの業務省力化と応対品質の水準向上に取り組んでいる――
約17.5万世帯および小売事業約8,000契約のほかにも、顧客サポートを含む運用・保守業務を他の電力小売・一括受電サービス企業や大手LPガス関連企業など10社から受託しているという。中央電力は、生成AI(セキュリティとプライバシー保護の観点から米国OpenAI社が「入力されたテキストを学習に利用しない」としているOpenAI API)を活用してカスタマーセンターの業務改善と応対品質向上を図る実証実験を開始した。
実証の第一段階では応対内容の要約、第二段階で顧客の感情や過去の応対履歴との類似性の分析、第三段階においてはFAQづくりを生成AIが行う。生成AI活用は、本稼働時に、自社サービスのカスタマーセンターに加え、運用業務を受託している電力・ガス関連企業10社のカスタマーセンターでも採用していきたい考えだという。
エネルギー業界の専門知識に基づく応対マニュアルの使用、リーダーによるフォロー体制などによって、カスタマーセンターでは迅速かつ正確な応対に努めている。そこで今回、経験・知識が豊富なオペレーターの回答を学習した生成AIの活用を通して、カスタマーセンター全体の応対品質の水準をさらに引き上げ、メンバーの交代があっても水準を落とさず継続して運用していくことが期待される。
各段階での実証結果に基づき、同社サービスのカスタマーセンターおよび受託するカスタマーセンターの運営に生成AI導入を推進していく。同社はさらに、AI技術を駆使しながら、より良い顧客体験を提供できる高品質なカスタマーセンターを運営するための努力を続けていく構えだ。