全国の道路上で、GPS搭載車の位置情報をいっそう精確にする

日本全国の地図データ・道路データを整備する。この企業には、ドライバー不足により2030年には35%の荷物が運べなくなると言われている物流業界の顧客から、「車両の現在地情報や走行ログを正確に把握、分析して業務効率化に活用したい」といった要望が多数寄せられている――

「2024年問題」が迫る物流業界に向けて、ジオテクノロジーズは今月7日、GPS機器で取得した誤差を含む位置情報を日本全国の道路データベースに合わせて補正し、道路の「名称」や「最高速度」など属性情報を配信するクラウドサービス「マップマッチングAPI」を開始した。同サービスは法人向け地図クラウドサービス「MapFan API」の新機能として提供される。

GPS機器などで取得した北緯東経を道路ネットワークデータにて補正。1回のAPIリクエストで1000件の緯度経度を補正可能なため、リクエスト数を少なく抑えられる。補正した位置情報とともに、道路名称、道路の種類、最高速度、車線数の属性情報も取得できる。今年11月には、「一時停止規制」など更なる属性情報の提供も予定しているという。

MapFan APIはウェブサイトや業務システムなどに地図を簡単に組み込める。地図表示、ルート/スポット検索など豊富なGIS機能を備え、位置情報に関わる多様なサービスに利用できる。そこで今回のマッチングサービスを活用すると、配送管理者が各車両の精確な位置をリアルタイム把握。顧客からの問い合わせに、都度ドライバーに連絡せずとも回答が可能となる。

緊急の配車を要する際には近傍の空車をみつけて手配することが容易になるといった効果も期待できるという。同社は、顧客業務の効率化によりドライバー不足の改善に貢献したいと考えていて、上記マップマッチングAPIにより正確な車両位置の把握および最適な運行管理や配車を可能とし、2024年問題の解決に寄与していく構えだ。