電気自動車のGHG削減量をクレジット化して社会に還元

脱炭素社会の実現が世界中で急務となっている。近ごろ、モビリティ業界においては、EV(電気自動車)の導入を始めとするカーボンニュートラルへの取り組みが加速している――

そこで、"利便性と脱炭素社会への貢献を実現する新たなモビリティビジネスの提供"、"EVの提供"、"先進的かつ効果的な温室効果ガス(GHG)削減ソリューションの提供にそれぞれ取り組んできた。そして今回、3社が持つケイパビリティを活用して、カーボンニュートラルに向けた新たな事業の共創をめざすという。

NTT ComNCSクレアトゥラは、「EVの走行データを活用した温室効果ガス削減プロジェクト」(NTT Com推進事業)がJ-クレジット制度の承認を受けたことに伴い、今月7日に実証実験を開始した。省エネ設備の導入や再エネ利用によるCO2などの排出削減量、適切な森林管理によるCO2などの吸収量を「クレジット」として国が認証する制度の下、3社は共同して、カーボンニュートラルへの貢献効果や事業性の検証を行う。

リースで提供されるEVの走行距離を測定し、その距離に応じて発生したGHG削減量をJ-クレジット制度を用いてクレジット化する。それを原資として顧客すなわちリースEV利用者に、dポイントやエコロジーなギフト、社会貢献の一環としての寄付などで還元する(予定)。今回の仕組みにて取得できる移動データを活用した新たなビジネスの可能性も検証する。

上記実証実験を通じて市場ニーズの把握や事業性の検討を進めるとともに、新たなビジネスモデルの共創に取り組む。商用EVを休日に地域住民や観光客の交通手段として利活用することで、地域住民や観光客の移動手段の確保と、商用EV使用者の環境貢献を両立するシステムの構築などを検討する。観光地周辺の人の周遊の仕組みをつくり、観光地やその周辺地域を含めた地域全体の活性化への貢献もめざしていく構えだ。