クラウド型のサービスで、エビデンスベースの政策立案を支援する

エビデンスを基にした政策立案(EBPM)が注目されている。内閣府等によるとそれは政策の企画をエピソードに頼るのではなく、目的を明確化した上で合理的根拠に基づくものとすることだが、現状ではデータ分析の専門知識や適切なツールの不足により、データの可視化やクロス集計程度に留まっている。

そのような課題を解決するため、EBPMの観点による統計データ分析や、産業政策における効果検証の実証実験(23年3月発表記事)を行い、定量的な効果の得られることが確認できたという。NECソリューションイノベータは、自治体が合理的な証拠に基づく政策立案を推進するために必要となるデータと分析ツールを組み合わせて提供するクラウド型「EBPM支援サービス」を今月7日に開始した。

同サービスは、政府統計の総合窓口e-Statの都道府県・市区町村統計データと、それらを「人口千人当たり」等の単位で算出した独自データとを用いて、自治体における順位や偏差値等の現状を把握する政府統計分析機能、計量経済学(数学的・統計的手法により、経済データの実証的な分析方法を研究する学問)の手法を用いた分析や事例のテンプレートなどの利用が可能な政策効果分析機能を提供する。

「複数団体の主要統計データを一括で取得可能」「政府統計分析機能によるランキング分析・時系列分析・相関分析」「政策効果分析機能による本格的な政策効果検証・統計的因果推論」といった特長を備えた。上記クラウドサービスにより、ユーザーは経験や勘に頼ることなく、客観的なデータに基づく証拠を用いられる。政策立案・政策検証における自治体運営のより一層の効率化が望める。

3年間で200団体への提供を目指す。同社は、EBPMへの取り組みを支援し、データを根拠とした政策立案の推進による説明責任の向上、行政の効率化・高度化に貢献するという目標のもと、自治体DXの推進をサポートしていく構えだ。