アプリ性能管理の国内市場はSaaS型が牽引して急成長

エージェントによるレスポンスタイム測定などの機能を有する。APM(アプリケーションパフォーマンス管理)は、ITサービスのパフォーマンス測定・管理・最適化を行ったり、サーバで稼動するアプリケーションのパフォーマンスを監視して、当該性能の問題検知や修復支援を行ったりする製品、あるいはサービスだ。

そんなAPMについて、オンプレミス環境では以前から性能容量管理が行われてきたが、クラウドサービスの利用拡大に伴って、インターネット環境でもパフォーマンス管理が必要になりつつあるとコンサルティング・フェローの藤俊満氏がいう。ITRは6月27日、国内のAPM市場規模推移および予測を発表した。2022年度の同市場の売上金額は71億3,550万円、前年度比19.7%増と高い伸びとなった。

市場認知度の向上を背景に、23年度も同18.4%増と引き続き高い成長が見込まれる。各種システムのWeb化に伴い、顧客接点の品質がビジネスの成果に大きな影響を与えるようになり、APMの重要性が高まっている。日本における同市場のCAGR(22~27年度)は18.0%と、好調な伸びを予測している。

APM市場をSaaS型かパッケージ型かといった提供形態で分類すると、SaaS市場の22年度の売上金額は27億2,400万円であり、パッケージ市場に比べてまだ小さいものの、前年度から42.1%増と急速な成長を示している。CAGR(同上)を比較すると、パッケージ市場が5.6%と堅調であるのに対し、SaaS市場は同31.0%と高く、25年度にはSaaS市場の売上金額が、パッケージ市場のそれを上回るだろうという。

詳細は、運用管理市場の全14分野を対象に、国内58ベンダーへの調査に基づいた21~22年度売上げ実績および27年度までの売上げ予測を掲載しているレポート『ITR Market View:運用管理市場2023』にて確認できる。