サプライチェーンにおける危機発生事態をSNSデータ等で把握する

パンデミック、戦争、大規模自然災害の発生がサプライチェーン(供給網)を襲う。昨今、製造業の調達部門は日々戦略の変更を余儀なくされている。同チェーン情報の整備を効率よく行ってリスクに備えることと、多様な「有事」を迅速にとらえることが重要になっているという。

スペクティと、東芝デジタルソリューションズは、災害発生時の初動対応を迅速化するための連携を開始。今月19日より、①戦略調達ソリューション「Meister SRM™」で収集・蓄積したサプライチェーン情報と、②AIリアルタイム危機管理ソリューション「Spectee Pro」との連携サービスの提供を始めた。これにより、バイヤーやサプライヤーは自社およびサプライチェーン下の製造拠点周辺で発生する有事情報をより速く把握できるようになり――

調達部門やサプライヤーにおける初動の迅速化が可能になるという。同サービスでは、ユーザー企業が①で収集・蓄積した調達品目ごとのサプライチェーン情報(生産拠点名、位置情報など)を②で確認できるよう、Meister SRMにてSpectee Pro向けサプライチェーンデータのダウンロード機能を標準提供する。

②は(自社管理)生産拠点周辺で発生した危機事象を、登録済みバイヤーやサプライヤーにメールで通知する拠点登録機能を有し、ユーザーは同メールに記載されるSNSなどで取得した現場等のリスク情報と、①の情報とを組み合わせて、サプライヤーの生産拠点周辺で発生した災害等のリスクを直ちに覚知できる。

この危機管理ソリューションが保有する現場の画像や動画データを用いて状況を確認し、対応策の判断を効率よく的確に行える。Spectee Proのダッシュボード上で地図と合わせて被害状況を確認できる。連携サービスは供給網全体での初動対応の迅速化に貢献するという。両社は今後も、製造業の発展や調達部門の業務高度化を支援していく考えだ。