水と電気のスマートメータがコラボ、多様な住宅形態でデータ利活用へ

情報技術の浸透が人々の暮らしをより良い方向に転換していく。デジタルトランスフォーメーションを地域で推進する、データ駆動型の産業・社会インフラを構築する際にも、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」技術の活用が鍵となる。通信型の各種計器(スマートメータ)を用いた仕組みはその好例だ。

電力スマートメータの通信網を活用し、安定的に水道使用量データを取得できることを確認する。それに加え、水道使用量の「見える化」や漏水の早期発見など、取得した水道使用量データの利活用に関する検討を進めていく――取り組みで得られた知見をもとに、水道スマートメータによる水道使用量自動検針の将来的な本格導入に向けた検討も進めていくとした('21年5月6日発表記事PDF)。

上記通信網を活用した集合住宅における水道自動検針の試験導入において高いデータ取得率を確認しているという。名古屋市上下水道局中部電力は、両毛システムズとともに今月、新たな実証試験に関する協定を締結した。同市中区内の集合住宅や戸建住宅など約90戸を対象に、今年10月~2026年3月までの予定で実証を行う。

今般の試験では、電力スマートメータ通信網を活用した通信方式における先の試験導入とは異なり、戸建住宅等へも対象を広げて"自動検針の安定性"の検証を行う。両毛システムズも参画し、水道使用量データの取得から各種サービス提供まで一連の流れで行うことで、水漏れ・じゃ口閉め忘れの早期発見・通知等、新たな付加価値サービスの検証を実施する。

当該試験を通じて、上下水道局は、効率的・効果的な自動検針のシステム化や水道使用量データを活用した新たなサービス提供の可能性について調査研究を進める。そしてそれとともに、中部電力と両毛システムズは、電力スマートメータ通信網を活用した水道使用量データの利活用サービスの開発・検証をおこない、新たな価値の創出を目指していくという。