行動観察とデジタルツールによる新製品・サービスのプロトタイプ評価

アンケートやCLT(会場テスト)による仮説ベースの検証が主軸だった。従来主流であった定量的調査手法に対し、新たな仕組みでは定性ないし情緒的要素を加味した調査を行う。意外なユーザー行動の発見、目視では得られないデータ収集により、プロトタイプ検証の有効性を高めることを狙う――

行動観察によるコンサルティングでは、現場の実態から気づきを見出し、それらを統合して解釈することでユーザや現場のインサイトを導出、課題解決のための仮説出しを行い、アイデアやソリューション案をクライアントと共創しているという。オージス総研は5月31日、行動観察およびウェアラブルデバイスや脳波測定などのデジタルツールを用いた、新製品・サービスのプロトタイプ評価検証サービスを開始した。

製作したプロトタイプについて、行動観察とデジタルツールの活用による評価検証を実施し、有効性についてのエビデンスの担保や、さらなる改善ヒントを獲得する支援を始めた。同サービスでは、目視で得られるファクト+デジタルツールで得られるファクトにより、行動観察を深化したインサイト(洞察)を提供できるようになった。

自動車利用の実証実験では、リストバンド型生体センサを利用し、細かな時系列ごとの快/不快データと、「ストレス・怒り」や「憂鬱・疲労」といった感情要素(新たなファクト)を加えられた。また、テレワーク時の家事について調査した際は、脳波測定およびビデオ撮影を用いることで、脳波が示す「わくわく・興味・ストレス・集中・沈静」データを収集でき、感情要素のデータを大量に取得できた。

感情変化の測定、AIカメラによる姿勢・動きの流れなど、課題に合せたデジタルツールを用いた検証も行えるという。同社は今後、「検証」にとどまらず、より深いユーザ理解やUXデザイン、業務改善を目的とした「実態把握」、そして「分析」の高度化を目指していく考えだ。