MedTech、医療現場における診断・診療AI支援は普及期へ

各種産業・医療分野のしくみと先進ITなどとを掛け合わせて新たな価値を創出する。X-Tech製品・サービス市場が進展している。昨今、医療系のMedTechでは、ロボティクス、高精細画像およびAI活用による診断・診療支援も進んでいる。

今年1月~3月、矢野経済研究所は国内のMedTech動向を調査(対象:医療機器メーカー、医療IT関連企業、製薬企業、その他関連企業。方法:同社専門研究員による直接ないしオンライン面談ならびに文献調査)した。そして、関連する各医療機器の普及動向、参入企業の事業展開、今後の方向性などを明らかにし、5月29日に診断・診療支援AIシステムの市場予測を公表した。

日本では、特に画像診断分野でのAI利用が活発であり、内視鏡画像診断支援AIシステムが初めて薬事承認を取得したことを皮切りに、製品・サービスの上市が進む。2月時点で放射線画像分野を中心に30品目以上のAI利用機器が薬事承認・認証を取得。医療AIプラットフォーム(例:HAIP)の構築も進んでいて、デジタル技術を活用した医用画像機器には、公的DB(例:厚労省PDF)の構築など国策としての基盤整備が進展している。

規制面でもAI利用機器に対する枠組み構築に向けた動きがみられ、新型コロナ対策としてAI製品の早期承認や、IDATEN制度(薬生機審発0831第14号)の導入、DASH for SaMDの策定などが行われている。医療分野でのAIやデジタル技術の活用が一層加速することが期待される。

医療現場におけるAIの活用は拡大していて、診断・診療支援AIシステム市場が黎明期から普及期にシフトしつつある。 2022年度の診療報酬改定による政策面での追い風がみられ、政府主導で制度改革が積極的に進められていることも市場拡大の要因になるなどという。詳細は同社の『2023年版 MedTech市場調査レポート』にて確認できる。