ビル設備とロボットとの連携を望む建設業や自治体など顧客からの声を受けて、ロボット制御の技術開発に取り組んできたが、複数メーカーのロボットとの連携には、各社独自のロボット制御ネットワークと上記データ統合基盤をつなぐための個別のシステム開発が必要だった。実際の運用時は、全ロボットの動きを把握し、互いの衝突を避けるといったメーカーの壁を超えた高度な制御技術も求められていたという。
TISとNTT Comはスマートビルディングでのロボット活用の高度化を実現した。後者の「CROSS LAB」にてマルチロボット制御プラットフォーム「RoboticBase®」と、スマートシティ向けデータ連携基盤「SDPF for City」との相互接続を実証後、「東京ミッドタウン八重洲」にて複数メーカーのロボットとビル設備の連携を実現した。
スマートビル向けの新技術を共創する場として活用されている上記LAB内で、複数種類のロボットを稼働させて進めた実験では、データを確実にやり取りするためのAPIの開発といった難所もクリアし、十分なサービス品質で相互接続が可能との技術的裏付けを得られた。運搬/清掃ロボットの自律走行によるエレベーター乗降やセキュリティドアの通過を可能にする仕組みを、顧客に提案した。
東京ミッドタウン八重洲では複数企業の搬送・清掃・警備ロボット計19台が導入され、オフィスビル内のDX活性化への貢献が期待されている。フードデリバリーでは、1階ロビーで配達員から商品を受け取ったロボットが自らエレベーターに乗って注文者に同商品を届ける、といった活用が想定されている(導入事例@TIS)。